愛知県額田郡幸田町の歯医者 うおずみ歯科クリニック
歯科医師 院長の魚住 大樹です。
歯ぎしりは多くの人が経験する問題です。主に睡眠中に無意識に行われることが多く、歯へのダメージや顎の痛み、さらには頭痛や肩こりなどを引き起こすこともあります。この記事では、歯ぎしりによる影響や、それを防ぐために有効な方法であるマウスピースについて詳しく解説します。
歯ぎしりは、正式には「ブラキシズム」と呼ばれる現象で、主に睡眠中に無意識に歯を噛みしめたりすり合わせたりすることを指します。歯ぎしりは力強く続くことが多く、歯に大きな負担をかけることで、歯の摩耗、ひび割れ、最悪の場合は歯の破損を引き起こします。また、顎関節に負担がかかり、顎が痛くなる「顎関節症」を誘発することもあります。これに加えて、頭痛や肩こり、悪い姿勢なども影響を受ける可能性があります。
歯ぎしりの原因は一つに特定することが難しいですが、一般的にはストレスや心理的な要因が深く関わっているとされています。仕事やプライベートでのストレスがかかると、無意識に歯を食いしばる反応が出やすくなります。また、咬合不全や歯並びの問題が原因である場合もあります。これに加えて、睡眠の質の低下やアルコール、カフェインの摂取量が多すぎることも影響を及ぼしています。
マウスピースは、歯ぎしりによる歯へのダメージを防ぐための有効な方法です。マウスピースを装着することで、直接的な歯の接触を防ぎ、圧力を分散させる役割を果たします。このため、歯にかかる負担が軽減され、歯の摩耗や破損のリスクが減少します。また、顎の筋肉の緊張を和らげ、顎関節への過度な圧力を防ぐこともできます。
マウスピースにはいくつかの種類があり、カスタムメイドのものと市販のものがあります。カスタムメイドのマウスピースは、歯科医院で患者さんの歯型を取って作成されるため、フィット感が非常に良く、効果的です。一方、市販のマウスピースは手軽に購入できるものの、フィット感が劣るため、十分な効果を期待できないこともあります。
歯科医院でのカスタムメイドのマウスピースは、患者さんの歯型をもとに作成されます。まずは歯科医師による診察が行われ、歯ぎしりの程度や口の中の状況を把握します。その後、歯型を取り、専門のラボでぴったりとフィットするマウスピースを作成します。このプロセスには通常、2〜3回の歯科医院の訪問が必要です。
治療費用は、保険の適用範囲や医院によって異なりますが、一般的には1万円から3万円程度とされています。カスタムメイドのマウスピースは初期費用がかかりますが、長期間にわたって使用できるため、結果的には経済的と言えます。
マウスピースと併せて、日常生活で歯ぎしりを軽減するための対策を取ることも重要です。まず第一に、ストレス管理を心がけることが大切です。リラクゼーション活動や適度な運動は、ストレスを軽減し、結果的に歯ぎしりを減らす効果があります。
また、硬い物を噛む癖がある場合は注意が必要です。日中にガムや硬い食べ物を過度に噛むことは、歯ぎしりの癖を助長する可能性があります。さらに、アルコールやカフェインの摂取を控えめにすることで、睡眠の質を向上させ、歯ぎしりを減少させることができます。
歯ぎしりは、多くの人に影響を与える問題であり、放置すると歯や顎に深刻なダメージを及ぼすことがあります。そのため、マウスピースを使用することは非常に有効な対策の一つです。歯科医院で制作されるカスタムメイドのマウスピースは、フィット感が良く、効果的に歯ぎしりを軽減します。また、日常生活でのストレス管理や食生活の見直しも、歯ぎしり対策に有効です。歯ぎしりが気になる方は、まずは歯科医師に相談し、適切な方法で対策を講じることをお勧めします。