愛知県額田郡幸田町の歯医者 うおずみ歯科クリニック
歯科医師 院長の魚住 大樹です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)やいびきは、私たちの生活の質を大きく損ない、場合によっては健康に深刻な影響を与えることがあります。このブログでは、これらの症状について詳しく説明し、保険適応の治療法などをご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まることで、適切な睡眠が妨げられる疾患です。これにより、日中の眠気、集中力の低下、疲労感が生じ、長期的には高血圧や心疾患、脳血管障害のリスクが高まります。一方、いびきも同様に上気道が狭くなることで引き起こされますが、これはSASの症状の一部であることが多いです。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、まずは専門医による診断が必要です。特に中高年男性や肥満の方、口周りの筋肉が緩んでいる方にこの症状が多くみられます。いびきがうるさい、または途中で呼吸が止まると指摘された場合には、一度チェックを受けることをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群の診断には最初に問診が行われますが、その後にはより具体的な検査が行われます。代表的なものがポリソムノグラフィー(PSG)です。これは、睡眠中の脳波、呼吸、酸素飽和度、心拍、筋電図、眼球運動を測定することで睡眠の質と無呼吸の状態を監視します。入院が必要な精密検査となりますが、SASの疑いがある場合には精度の高い結果を得ることができます。
検査費用は保険適応の場合でも数万円程度かかることがありますが、早期発見・治療が健康維持の鍵となるため、積極的に受診することが重要です。また、状況によっては簡易検査として在宅で行うことが出来るポータブルモニターを使用した方法もあります。デバイスは小型で、指先にセンサーをつけることで呼吸状態を測定します。入院の必要がないため、比較的気軽に検査を受けられるのが特長です。
SASや重度のいびきに対する治療法には、ライフスタイルの改善、口腔装置による治療、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法、外科手術などがあります。軽症から中等症の場合は、まずは生活習慣の改善が推奨されます。体重管理、アルコール摂取の制限、喫煙の中止、睡眠姿勢の調整が基本となる治療法です。これらの改善だけでも症状が軽減することがあります。
口腔装置は、寝ている間に下顎を前進させて気道を確保する器具で、特に軽症から中等症の患者さんに適しています。保険適応の場合、費用は数万円程度と考えられます。比較的手軽でありながら効果的な治療法として支持されています。
CPAP療法は重症の場合に最も効果的とされ、マスクを使用し空気を送り込むことで気道の閉塞を防ぎます。この治療法は睡眠の質を劇的に改善することができますが、一方で装置の存在が精神的なストレスを感じさせることも少なくありません。また、装置にかかる初期費用や使用時に生じる電気代が継続的に必要となります。しかし一方で、多くの場合、医師の指示のもとであれば健康保険が適用され、費用負担が軽減されます。
外科手術は、病変の部位を切除または改造することで物理的に気道を広げる治療法です。この方法は永久的な効果が期待できる一方、手術に関わるリスクも含まれるため、慎重な判断が必要です。また、費用面でも高額になる可能性があり、保険適応は治療内容や病院により異なります。手術後の回復期間や通院も必要になりますので、時間的な余裕と術後のフォローアップが重要です。
健康保険が適用される治療法の代表例はCPAP療法と口腔装置です。この二つは効果が実証されており、また保険適応により自己負担を抑えつつ治療が続けられるメリットがあります。CPAP療法では、機器のレンタル費用や消耗品の定期的な交換が保険適応となり、月々の自己負担額も数千円前後で済むことが多いです。また、口腔装置の場合でも医師の処方のもとでは保険が適用されるため、より手軽に始めやすい治療法となっています。
また、最近では健康保険適用外ですが、治療の効果が期待できるとされる新しいデバイスも開発されています。医師との相談のもとで、自分に最適な治療法を選ぶことが、快適な睡眠生活への第一歩となるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群やいびきは、日常生活に多くの影響を及ぼす可能性がありますが、適切な診断と治療を受けることで、症状を軽減し、生活の質を改善することが可能です。健康保険を活用した治療法も複数存在し、経済的負担を軽減する方法があります。心当たりのある方は、早めに専門医に相談してみることをお勧めします。適切な治療を受けることで健康を維持し、快適な毎日を手に入れましょう。