よく抜いた方がいいよと言われる親知らず。本当に抜いた方が良いの?抜いた方がいいと言われる理由とは?
愛知県の幸田町にある歯医者、うおずみ歯科クリニックでは患者様に対し、お口の中の健康に少しでも興味を持っていただければと思い、歯の豆知識をブログにて発信していきます。
第一回のテーマは「親知らず」についてです。親知らずについては、若いうちに抜いておいた方がよいと言われることがあるかと思います。なぜなのか?抜くことが正しいのか?そんな疑問についてお話をしていきます。
まず、皆さんは親知らずについて、どのくらいご存じでしょうか?親知らずには、じつは正式名称があることをご存じですか?正式名称としては、第三大臼歯といいます。一般的な方のお口の状態であれば、上下各2本ずつ親知らずが生えており、合計で4本あります。
※個人差あり
そんな親知らずですが、人によっては虫歯や歯周病などが悪化する原因になることがあります。原因として、これまでの人間の体の構造・進化の過程が挙げられます。
元々、狩猟採取民族だった古代の人々の食生活は現代のものとは違い、固い木の実や野生の肉などを丈夫な顎で食べていました。現在人の顎の骨とは違い、大きく長い形状をしていたため、最も奥に生えている親知らずは、まっすぐキレイに生えてくることができ、しっかり奥歯としての機能も果たしていました。現代に進むにつれ、食生活が大きく変化したことで、顎の骨にも大きな変化がでてきます。丈夫で太かった顎の骨は細くなり、長さも短くなることで、親知らずの本来生えている場所がなくなってしまい、うまく機能しなくなってしまいます。そのため、歯茎に埋まってしまう・横にずれて生えてくるなどの弊害がでてきました。しっかりと生えきらないことでその隙間に細菌や汚れが溜まり、病巣になりやすく痛みの発生原因になってしまうのです。
そのほか、斜めに生えてきている親知らずを放置することで、歯並びの異常につながるケースや、完全に親知らずが生えきらない場合などは、他の歯と隙間ができ、歯茎のはれにもつながります。それによって最終的には虫歯になってしまうリスクも高くなります。そのような場合は、抜歯を検討していきます。
しかし、難しい抜歯が難しい場合もあります。
下顎の親知らずを抜歯するケースですが、顎骨の太い血管・神経などに歯の根が隣接している際、それらを傷つけるリスクがあります。また、上顎の場合でも、鼻との間の空洞部分に歯の根が接している場合、抜歯をしたことで細菌感染のリスクが生じます。
こういった場合は、大学病院などの専門機関での処置が必要になるため、診断をしたうえで、ご紹介という対応になります。
親知らずには、残すにしても抜歯をおこなう場合でも状況により、リスクが生じます。状況は、患者様ごとに違いますので、まずは現状のお口の状態を確認し、早めに対処することが重要かと思います。
当医院では、予防のための定期的なお口の定期検診を実施しております。
虫歯や歯周病予防のため、ぜひご来院ください。
愛知県の幸田町にある歯医者 うおずみ歯科クリニック
院長 魚住 大樹